持分会社の業務執行

会社法講義111日目

●業務執行
◆定款で業務執行社員を定めない場合
(1)社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行します(会590‐Ⅰ)。有限責任社員にも業務執行権があります。そうしないと合同会社の業務執行が行えないからです。

社員が二人以上あるときは、業務は定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定します(同条‐Ⅱ)。

(2)会社の常務(日常業務)は、各社員が単独で行うことができますが、その完了前に他の社員が異議を述べたときは、原則どおり過半数で決定しなければなりません(同条‐Ⅲ)。

◆定款で業務執行社員を定めた場合
(1)定款で業務執行社員を二人以上定めたときは、業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務執行社員の過半数で決定します。常務は各業務執行社員が単独でできますが、その完了前に他の業務執行社員が異議を述べたときは、過半数で決定しなければなりません(会591‐Ⅰ)。

(2)業務執行社員がある場合でも、支配人の選任、解任は、社員の過半数で決定します(ただし、定款で別段の定め可・同条‐Ⅱ)。支配人は重要だからです。

(3)定款で業務執行社員を定めた場合において、その業務執行社員の全員が退社したときは、当該定款の定めはその効力を失います(同条‐Ⅲ)。

(4)定款で定めた業務執行社員は、正当な事由がなければ辞任することができません。正当な事由がある場合は、他の社員の一致によって解任することができます(同条‐Ⅳ、Ⅴ)。業務執行社員の辞任、解任については、定款で別段の定めをすることができるます(同条‐Ⅵ)。

◆社員の業務調査権
業務執行社員を定款で定めた場合、各社員は会社の業務執行権を有しなくても、会社の業務及び財産の状況を調査することができます。

業務調査権につき定款で別段の定めをすることができますが、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに調査をすることを制限することはできません(会592)。


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Posted by no-ko at 23:31 │持分会社