持分会社を設立する新設分割

●持分会社を設立する新設分割
◆新設分割計画の内容
一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設会社が持分会社であるときは、新設分割計画において下記の事項を定めなければなりません(会765‐Ⅰ)。

(1)新設分割設立持分会社が合名会社、合資会社、合同会社のいずれであるかの別。

(2)新設持分会社の目的、商号及び本店の所在地。

(3)新設持分会社の社員についての次の事項。
① 社員の名称及び住所。
②社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別。
・合名会社であるとき
⇒その社員の全部を無限責任社員とする旨
・合資会社であるとき
⇒その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨
・合同会社であるとき
⇒その社員の全部を有限責任社員とする旨
③ 当該社員の出資の価額。

(4)(ロ)(ハ)のほか新設持分会社の定款で定める事項。

(5)新設持分会社が分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(分割会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く)に関する事項。

(6)新設持分会社が、分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる新設会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法。共同新設分割の場合には、分割会社に対する社債の割当てに関する事項。

(7)分割株式会社が新設持分会社の成立の日に次の行為をするときは、その旨。
① 分割会社が全部取得条項付種類株式の取得の対価として新設会社の持分を交付するとき。
② 剰余金の配当(配当財産が新設持分会社の持分のみであるものに限る)。

◆持分会社を設立する新設分割の効力発生
新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継します(会766‐Ⅰ)。

分割会社は新設持分会社の成立の日に、分割計画の定めに従い新設持分会社の社員又は社債権者となります(同条‐Ⅳ、Ⅴ)。

分割会社の債権者が、分割会社又は新設持分会社に対し債務の履行請求ができる場合については、同条‐Ⅱ、Ⅲ項(会761‐Ⅱ、Ⅲと対比)を参照。


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Posted by no-ko at 12:04 │会社分割