清算手続 1

会社法講義103日目

●清算手続
清算人の主な清算手続は、以下のとおりです。

◆財産目録・貸借対照表の作成
清算人(清算人会設置会社では代表清算人又は業務執行清算人)はまず、就任後遅滞なく清算会社の財産の現況を調査し、法務省令の定めにしたがって(規則144条、145条)、清算の開始原因に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(財産目録等という)を作成しなければなりません(会492‐Ⅰ)。

そして清算人会設置会社では、財産目録等は清算人会の承認を受けなければなりません(同条‐Ⅱ)。

また清算人は、財産目録等(上記承認を要する場合は承認を受けたもの)を株主総会に提出又は提供して、その承認を受けなければなりません(同条‐Ⅲ)。

会社は財産目録等を、作成した時から本店の所在地で清算結了の登記の時までの間、保存します(同条‐Ⅳ)。

また清算会社は、各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければなりません(会494)。監査役設置会社では、それらは監査役の監査を受けなければならず、清算人会設置会社では、それらにつき清算人会の承認を受けなければなりません(会495)。

◆現務の結了
解散当時まだ完了していない事務を終了させます。債券の回収も行います。

◆債務の弁済
(1)清算会社は、清算の開始原因発生後遅滞なく、会社の債権者に対し、一定の期間内(2箇月を下ることができない)にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ知れている債権者には各別にこれを催告しなければなりません(会499‐Ⅰ)。

この公告には、期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければなりません(同条‐Ⅱ)。

(2)会社は、上記期間内は債務の弁済をすることができません(会500‐Ⅰ)。期間の経過後平等に弁済させるためです。

もっとも期間内でも、少額の債権、担保権付債権など弁済しても他の債権者を害するおそれがない債務は裁判所の許可を得て弁済することができます。この許可の申立ては清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければなりません(同条‐Ⅱ)。

(3)債権者(知れている債権者を除く)であって、債権申出期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥されます(会503‐Ⅰ)。その者は、分配がされていない残余財産に対してのみ弁済を請求することができることとなります(同条‐Ⅱ)。


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Posted by no-ko at 23:34 │清算