新株予約権の募集事項の決定

会社法講義39日目

●募集事項の決定
会社が発行する新株予約権を引受ける者を募集しようとするときは、その都度、募集新株予約権について次に掲げる事項を定めなければなりません(会238‐Ⅰ)。この募集事項は、募集ごとに均等に定めなければなりません(同条‐Ⅴ)。募集事項の決定機関は、募集株式の場合と同様です。

(1)募集新株予約権の内容及び数。
(2)新株予約権を無償で発行するときは、その旨。
(3)新株予約権を有償で発行するときは、一個についての払込金額又はその算定方法。
(4)新株予約権の割当日。
(5)金銭の払込期日を定めるときは、その期日。

●有利発行
公開会社、譲渡制限会社を問わず、有利発行の場合には、株主総会の特別決議によらなければなりません(会238‐Ⅲ、240‐Ⅰ)。

この場合、取締役は募集事項決定の株主総会、募集事項決定の委任の株主総会において有利な条件又は金額で引受人の募集をすることが必要な理由を説明しなければなりません(会238‐Ⅲ、239‐Ⅱ)。

有利発行とは以下の2つの場合です。
◆新株予約権を無償(払込を要しないという意味)で発行することが、それを引き受ける者に特に有利な条件である場合。
新株予約権の無償発行は通常その有利発行となりますが、常にそうではなく新株予約権の価値と比較してそれが特に有利な条件と考えられる場合のみ有利発行となります。

◆有償発行でも、払込金額が引受人に特に有利な金額であるとき。

●株主割当て
会社は、新株予約権を募集する場合、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができます。この場合は募集事項のほかに①株主割当てを行う旨、②募集新株予約権の引受けの申込期日を定めなければなりません(会241‐Ⅰ)。

決定機関は、募集株式の場合と同様です(会241‐Ⅲ)。株主割当ての場合、有利発行でも株主総会の特別決議が不要なことも同じです(会241‐Ⅴ)。
株主に対し2週間前に通知が必要なことも同様です。株主割当の効果も、募集株式の場合と同様です(会241‐Ⅱ、Ⅳカッコ書)。


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