会社の自己新株予約権

会社法講義43日目

●会社による自己の新株予約権の取得
会社は、取得条項付株式と同様に新株予約権の発行にあたり、一定の事由が生じたことを条件として、新株予約権を取得できることを定めることができます(会236‐Ⅰ-⑦)。しかし、取得条項付株式と異なり、取得事由を定款に定めず、募集事項の決定ごとに定めることができます。

◆取得条項付新株予約権の内容として「会社が別に定める日(会236‐Ⅰ‐⑦ ロ)」を取得日と定めた場合には、会社はその日を株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議によって定めなければなりません(会273‐Ⅰ)。

その日を定めたときは、会社は取得条項付新株予約権者(一部取得の場合は当該一部の取得条項付新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、その日の2週間前までに当該日を通知又は公告しなければなりません(会273‐Ⅱ、Ⅲ)。

◆取得事由が生じた日に新株予約権の一部を取得する旨の定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならないが、それは株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議によって定めなければなりません(会274‐Ⅰ、Ⅱ)。

この決定をしたときは、会社は決定した取得条項付新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに取得する旨通知又は公告しなければなりません(会274)。

●新株予約権の消却
会社は自己新株予約権を消却することができます。この場合には、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければなりません(会276‐Ⅰ)。

消却は、業務執行権を有する取締役が決定しますが、取締役会設置会社では、その決定は取締役会の決議によります(会276‐Ⅱ)。

●質権設定
新株予約権は質入れすることができるが、新株予約権付社債については新株予約権又は社債のみに質権を設定することはできません。ただし、社債又は新株予約権の一方が消滅したときはこの限りではありません(会267‐Ⅰ~Ⅲ)。

証券発行新株予約権の質入れ、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券を交付しなければその効力を生じません(要物契約 会267‐Ⅳ、Ⅴ)。

●新株予約権質入れの対抗要件
新株予約権の質入れの対抗要件、登録新株予約権質権、質入れの効果などについては、ほぼ株式の質入れと同様の規定が設けられています(会268~272)。