社債管理者の権限

●社債管理者の権限
◆法定の権限
社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又はその債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会705‐Ⅰ)。

そのため必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができます(同条‐Ⅳ)。

この社債管理者が弁済を受けた場合には、社債権者は社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができます。

この場合において、社債券を発行しているときは、社債券、利札と引換えに償還又は利息の支払を請求しなければなりません(同条‐Ⅱ)。この請求権は、10年間行使しないときは、時効によって消滅します(同条‐Ⅲ)。

◆社債権者集会の決議を要する権限
社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、① 社債の全部についてする支払の猶予、その債務不履行によって生じた責任の免除又は和解、②社債の全部についてする訴訟行為、破産手続、再生手続・更生手続若しくは特別清算に関する行為ができません(会706‐Ⅰ)。

もっとも、社債発行の際の募集事項の決定で、社債権者集会の決議不要と定めていたとき(会676‐⑧)は不要です(同条‐Ⅰ‐ただし書)。

これにより社債権者集会の決議なしにこれらの行為をしたときは、遅滞なくその旨を公告し、かつ知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければなりません(同条‐Ⅱ、Ⅲ)。

社債管理者は、管理の委託を受けた社債につき、上記①②の行為をするため必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができます(同条‐Ⅳ)。

◆その他の権限
その他、社債権者集会を招集し(会717‐Ⅱ)、これに出席して意見を述べ(会729‐Ⅰ)、社債権者集会の決議を執行し(会737‐Ⅰ)、不公正な行為の取消の訴えを提起することができます(会865‐Ⅰ)。

また、資本の減少、合併などにおける債権者保護手続において、社債管理者は社債権者のために異議を述べることもできます(会740)。

  

Posted by no-ko at 14:20社債

社債

会社法講義124日目

●社債とは
社債とは、会社法の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債務で、会社法676条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいいます(会2‐○23)。

要は、社債というのは、一般大衆からの小口に分けた会社の借金(債務)です。

社債は、株式会社のみならず、持分会社も発行することができます。

●社債の種類
◆普通社債と新株予約権付社債
社債権者が定期に約定の利息の支払を受け、期限がくれば元本の償還(弁済)を受ける普通社債と、新株予約権付の社債である新株予約権付社債(会2‐○22)とがあります。

◆記名社債と無記名社債
社債原簿に社債権者の氏名・住所が記載される「記名社債」と、記載されない「無記名社債」とがあります。会社はその一方又は双方を発行することができます。

◆担保付社債と無担保社債
社債に物的担保の付いた「担保付社債」と、担保の付かない「無担保社債」とがあります。担保付社債については、担保付社債信託法が特別規定を置き、優先適用されます。

●社債発行の決定機関
株式会社が社債を発行するには、取締役会設置会社では取締役会の決議が必要です(会362‐Ⅳ‐⑤)。委員会設置会社では執行役に委任することができます(会416‐Ⅳ)。

取締役会非設置会社では、取締役の過半数又は一人のみの取締役が決定します(会348)。  

Posted by no-ko at 14:25社債

社債の募集手続

●社債の募集手続
募集事項の決定→申込をしようとする者に対する通知→申込み・割当て→払込みという流れになります。
.
◆募集社債事項の決定
会社は、その発行する社債の引受人を募集しようとするときは、その都度、募集社債につき下記の事項を定めなければなりません(会676)。

(1)募集社債の総額
(2)各募集社債の金額
(3)募集社債の利率
(4)募集社債の償還の方法及び期限
(5)利息支払の方法及び期限
(6)社債券を発行するときは、その旨。
(7)社債権者が、社債券の記名・無記名の転換請求(会698)の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨。
(8)社債管理者が、社債権者集会の決議によらずに会社法706条Ⅰ項②号に掲げる行為(訴訟行為など)をすることができることとするときは、その旨。
(9)各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法。
(10)募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日。
(11)一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日。
⇒社債も新株発行と同様、引受けがあった額につき社債が成立しますが(打切り発行)、この定めがあるときは総額の引受けがなければ、募集社債の全部が成立しません。
(12)その他、法務省令で定める事項(規則162条参照)。

◆通 知
会社は、募集に応じて社債の引受け申込みをしようとする者に対し、①会社の商号、②会社法676条各号に掲げる募集事項 、③その他法務省令で定める事項(規則163条)を通知しなければなりません(会677‐Ⅰ)。

もっとも、会社がこれら事項を記載した証券取引法に規定する目論見書を交付している場合、その他申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合(規則164条参照)には通知の必要はありません(同条‐Ⅳ)。

募集社債の引受の申込をする者は、①申込みをする者の氏名又は名称及び住所、 ②引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数、③会社が募集社債の払込金額の最低金額を定めたときは、希望する払込金額を記載した書面(会社の承諾を得て電磁的方法により提供可)を会社に交付しなければなりません(同条‐Ⅱ、Ⅲ)。

会社は、通知事項に変更があったときは、直ちにその旨及び変更があった事項を申込みをした者に通知しなければなりません(同条‐Ⅴ)。

会社が申込者に対してする通知又は催告は、申込みの書面に記載した住所(申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を会社に通知した場合にはそこ)にあてて発すれば足ります。この場合通知や催告は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます(同条‐Ⅵ、Ⅶ)。

  

Posted by no-ko at 12:48社債

社債の募集手続き続き

◆割当て
会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければなりません(割当て自由の原則)。

この場合会社は、申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、申込みの数よりも減少することができます(会678‐Ⅰ)。

)会社は、社債の払込期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければなりません(同条‐Ⅱ)。

◆総額引受の特則
社債の募集方法には次の二つがあり、そのうち総額引受け(特定の者が、社債の総額を引き受ける方法)については上記申込み(会677)、割当て(会678)についての規定は適用がありません(会679)。

大口の契約時に契約書等などで充分に社債に関する内容確認はされているからです。

◆社債の成立
申込者は、会社が割り当てた募集社債、総額引受の場合は、その者が引き受けた募集社債につき社債権者となります(会680)。
  

Posted by no-ko at 13:00社債

社債原簿

●社債原簿の作成と備置
会社は、社債を発行した日以後遅滞なく社債原簿を作成し、これに一定の社債原簿記載事項を記載(録)しなければなりませんい(会681)。

社債権者(無記名社債の社債権者を除く)は、社債発行会社に対し、当会社債権者につき社債原簿に記載(録)された社債原簿記載事項記載書面の交付又は記録の提供を請求することができます(会682‐Ⅰ~Ⅲ)。

社債券を発行していない場合にはこれによって社債権者であることを証明するしかないからです。従って当該社債につき社債券を発行している場合には、この請求はできません(同条‐Ⅳ)。

会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう)を定め、社債原簿に関する事務を行うことを委託することができます(会683)。

)社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合はその営業所)に備え置かなければなりません(会684‐Ⅰ)。

社債権者その他法務省令で定める者(規則167条参照)は、社債発行会社の営業時間内はいつでも請求の理由を明らかにして、閲覧・謄写請求ができます(会684)。

●社債権者に対する通知
社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を会社に通知したときはそこ)にあてて発すれば足ります(会685‐Ⅰ、Ⅱ)。

社債が二人以上の共有に属するときは、共有者は、通知又は催告を受領する者一人を定め、会社にその者の氏名又は名称を通知しなければなりません。通知がないときは、会社は共有者の一人に対して通知又は催告をすれば足ります(会685‐Ⅲ、Ⅳ)。

また、社債の共有の場合、共有者は、権利行使者一人を定め、会社にその者の氏名又は名称を通知しなければ、社債についての権利行使ができません。これは、会社の便宜のためなので、会社が権利行使に同意した場合はできます(会686)。  

Posted by no-ko at 00:05社債

社債の譲渡

●記名式社債券が発行された場合
社債券は、募集事項でその発行を決めた時だけ発行されますが(会676‐⑥)、その場合社債発行会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければなりません(会696)。

記名式社債券が発行された場合の社債の譲渡は、社債券を交付しなければその効力を生じません(会687)。この場合、その所持が第三者対抗要件、社債原簿の名義書換が会社に対する対抗要件とななります(会688‐Ⅱ)。

社債券は、社債権者の権利を表章する有価証券です。従ってその占有者は適法な権利者と推定され、社債券を悪意・重過失なく取得した者には善意取得が認められます(会689)。

また、社債券は、公示催告手続によって無効とすることができ、社債券の喪失者が除権決定を得た後でなければ、再発行を請求することができませんい(会699)。

●社債券が発行されていない場合
社債券のない社債の譲渡は、意思表示によりますが、取得者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載(録)しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができません(会688‐Ⅰ)。

社債を社債発行会社以外の者から取得した者は、社債原簿の名義書換を請求することができますが、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合(規則168条)を除き、社債原簿に記載(録)された者又はその相続人その他の一般承継人と共同して請求しなければなりません(会691‐Ⅰ、Ⅱ)。

●無記名社債券が発行された場合
無記名式社債の譲渡は社債券の交付により、それで会社及び第三者対抗要件となります(会687、688‐Ⅲ)。

社債原簿にその氏名住所は記載されないので(会681‐④カッコ書)、名義書換は必要がありません。善意取得が認められます(会689)。

なお、社債券が発行されている場合、社債権者は、社債募集事項の決定の際、それができないとされている場合(会676‐⑦)を除き、いつでもその記名式の社債券を無記名とし、またその逆を請求することができます(記名式と無記名式の相互転換・会698)。
  

Posted by no-ko at 18:23社債

社債の質入

●社債券がある場合
社債券がある社債の質入れは、社債券を交付しなければその効力を生じません(会692)。

社債券の占有の継続が、会社その他の第三者に対する対抗要件となります(会693‐Ⅱ)。

●社債券が発行されていない場合
質権の設定は当事者の合意により、質権者の氏名又は名称及び住所の社債原簿への記載(記録)が、会社その他の第三者に対する対抗要件となります(会693‐Ⅰ)。

質権設定者は、会社に対し、質権者の氏名又は名称及び住所、質権の目的である社債を社債原簿に記載(録)することを請求することができます(会694‐Ⅰ)。

登録質権者は、会社に対し、社債原簿記載事項の記載書面の交付又は記録の提供を請求することができます(会695)。
  

Posted by no-ko at 14:52社債

社債の償還

●社債の償還
社債権者は、社債の償還期限が到来した時に償還(社債元本の弁済)を受けます。

それまでは発行時に定められた内容の利息を受けます。

償還の期限、方法、金額などは募集事項で決められ(会676‐③~⑤)、社債原簿に記載されてています(会681‐①)。

●利札が欠けている場合の償還
社債券には利札を付することができます(会697‐Ⅱ)。

社債券から切り離された利札は、利息支払請求権を表章した有価証券であり、債券とは別に流通します。

会社が、社債を償還期限前に償還する場合において、利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければなりません。

反面、利札の所持人は、いつでも会社に対し、利札と引換えに、上記の控除額の支払を請求することができます(会700)。

利札の券面額を控除して償還し、その額を利札の所持人に支払うことにして利札の取引安全を保護したものです。

●社債の償還請求権の消滅時効
社債の償還請求権は、10年間行使しないときは、時効によって消滅します(会701‐Ⅰ)。

社債の利息請求権及び利札の所持人の支払請求権は、5年間行使しないときは、時効によって消滅します(同条‐Ⅱ)。

  

Posted by no-ko at 14:52社債

社債管理者

●社債の管理
社債は、会社の債務であり、債権者は一般公衆です。そこで一般公衆たる社債権者保護のために「社債管理者」と「社債権者集会」という二つの制度を置いています。

●社債管理者
社債管理者とは、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを社債発行会社から委託された者をいいます(会702)。

会社が社債を発行する場合には、社債管理者を定めなければなりません。

ただし、①各社債の金額が1億円以上である場合、②その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合(規則169条)の場合には社債管理者を定める必要はありません(同条)。このような大口債権者は社債管理者による管理は必要がないからです。

●社債管理者の資格
社債管理者は、①銀行、②信託会社、③その他これらに準ずるものとして法務省令で定める者(規則170条)でなければなりません(会703)。

  

Posted by no-ko at 12:29社債

社債管理者の権限行使の特則

●社債管理者の権限行使の特則
◆特別代理人の選任
社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければなりません(会707)。

◆二以上の社債管理者がある場合
二以上の社債管理者があるときは、共同してその権限を行使しなければなりません(会709‐Ⅰ)。この場合、社債管理者が弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し「連帯」して、当該弁済額を支払う義務を負います(同条‐Ⅱ)。

●社債管理者の義務と責任
◆社債管理者の義務
社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならず、また、社債権者に対し、善管注意をもって社債の管理を行わなければなりません(会704)。

◆社債管理者の責任
社債管理者は、会社法又は社債権者集会の決議に違反したときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(会710‐Ⅰ)。上記善管注意義務を怠った場合などです。

さらに社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前3箇月以内に下記の行為をしたときは、社債権者に対し損害を賠償する責任を負います。社債発行会社の信用悪化後の社債管理者の利益相反行為に対し、特別の規定を設けたものです。

ただし当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、責任を負いません(会710‐Ⅱ)。

①社債管理者が有する債権につき、社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為(弁済など)を受けること。

社債管理者は銀行などであるため、社債権者を差し置いて自らの債権の回収を図るような利益相反的行為を防止する趣旨です。

②社債管理者と、法務省令で定める特別の関係がある者(規則171条)に対して債権を譲渡し、譲受人が社債発行会社から担保の供与、弁済などを受けること。

① の脱法を防ぐためです。

③社債管理者が社債発行会社に対して債権を有している場合に、その債権の相殺目的で社債発行会社の財産処分契約(財産の譲受契約など)を締結し、又は社債発行会社に債務を負う者と債務の引受契約をして相殺すること。

④逆に、社債管理者が社債発行会社に債務を負っている場合に、社債発行会社に対する債権を譲受けて相殺すること。  

Posted by no-ko at 12:29社債

社債権者集会

●社債権者集会
社債権者集会とは、社債の種類ごとに、社債権者によって組織される集会をいいます(会715)。社債の種類ごとに別個の社債権者集会が構成されるのは、社債の種類が異なれば利害も異なるからです。

●社債権者集会の権限
社債権者集会は、会社法が規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議することができます(会716)。つまり、社債権者の利害に関する事項を広く決議の対象とすることができます。社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも招集することができます(会717‐Ⅰ)。

●社債権者集会の招集と決議
◆招集権者
社債権者集会は、社債発行会社又は社債管理者が招集します(会717‐Ⅱ)。

ある種類の社債の総額の10分の1以上に当たる社債を有する社債権者は、招集権者である社債発行会社又は社債管理者に対し、集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができます(会718‐Ⅰ)。

このとき、償還済みの額や、発行会社が有する自己社債の合計額は、社債総額に算入しない(同項‐カッコ書、同条‐Ⅱ)。

請求をした社債権者は、①請求後、遅滞なく招集の手続が行われない場合、もしくは、②請求があった日から8週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集通知が発せられない場合には、裁判所の許可を得て社債権者集会を招集することができます(少数社債権者による招集・同条‐Ⅲ)。

上記の請求又は招集をしようとするのが無記名社債権者であるときは、その社債券を社債発行会社又は社債管理者に提示しなければなりません(同条‐Ⅲ)。
  

Posted by no-ko at 14:58社債

社債権者招集の決定と招集通知

◆社債権者招集の決定と招集通知
招集者が社債権者集会を招集する場合には、社債権者集会の日時及び場所、社債権者集会の目的事項、電磁的方法によって議決権行使ができることとするときはその旨、その他法務省令で定める事項(規則172条)を定めなければなりません(会719)。

社債権者集会を招集するには招集者は、集会の日の2週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者に対して書面でその通知を発しなければなりません(会720‐Ⅰ)。その者の承諾があれば電磁的方法で通知を発することもできます(同条‐Ⅱ)。

通知には、会社法719条各号に掲げる事項を記載(録)しなければなりません(同条‐Ⅲ)。

無記名社債券を発行している場合に社債権者集会を招集するには、招集者は集会の日の3週間前までに招集する旨及び会社法719条各号に掲げる事項を公告しなければなりません(同条‐Ⅳ)。

この公告は発行会社の公告をする方法によりしなければならないが、招集者が発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは「官報」に掲載する方法でしなければなりません(同条‐Ⅴ)。

招集者は、招集通知に、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書面(社債権者集会参考書類)及び社債権者が議決権を行使するための書面(議決権行使書面)を交付しなければなりません(会721‐Ⅰ)。社債権者の承諾を得て、電磁的方法により提供することもできます(同条‐Ⅱ)。

無記名社債権者に対する公告をした場合において、集会の1週間前までに無記名社債権者からの請求があったときは、直ちにその者に参考書類及び議決権行使書面を交付しなければなりません(同条‐Ⅲ)。その者の承諾を得て、電磁的方法により提供することもできます(同条‐Ⅳ)。
  

Posted by no-ko at 15:25社債

社債権者集会の議決方法

◆社債権者集会の議決方法
社債権者は、社債権者集会において、その有する社債金額の合計額(償還済みの額を除く)に応じて議決権を有します。しかし社債発行会社が保有する自己社債については議決権はありません(会723‐Ⅰ)。

無記名社債については、集会の日の1週間前までにその社債券を招集者に提示しなければ、議決権の行使ができません(同条‐Ⅱ)。

決議は普通決議によるのが原則です。可決には、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者)の議決権の過半数で決するわけです(会724‐Ⅰ)。定足数はなく、可決が容易になっています。

なお社債権者集会では、招集通知に掲げられた集会の目的である事項(会719‐②)以外の事項については、決議することができません(同条‐Ⅲ)。

下記の①~④の重要事項については特別決議すなわち、議決権者の議決権総額の5分の1以上で、かつ、出席した議決権者の議決権総額の3分の2以上の同意が必要です(同条‐Ⅱ)。

① 当該社債の全部についての支払猶予、債務不履行によって生じた責任の免除又は和解(会706‐Ⅰ‐①)。
② 当該社債の全部についてする訴訟行為など(会706‐Ⅰ‐②)。
③ 代表社債権者の選任、解任(会736‐Ⅰ、738)。
④ 社債権者集会の決議の執行者の選任、解任(会737‐Ⅰ‐ただし書、738)など。


◆議決権の代理行使・不統一行使
社債権者集会においても、議決権の代理行使(会725)、書面による議決権行使(会726)、電磁的方法による議決権行使(会727)が認められます。

また議決権の不統一行使と招集者が拒否できる場合(会728)など、株主総会の場合とほぼ同様です(会310~313と対比)。

◆社債発行会社の代表者の出席
社債発行会社又は社債管理者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができます。

逆に、社債権者集会の決議によって、又は招集者も、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができます(会729)。  

Posted by no-ko at 09:40社債

社債権者集会議事録

●社債権者集会議事録
社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより(規則177条)、議事録を作成しなければなりません(会731‐Ⅰ)。

社債発行会社は、社債権者集会の日から10年間、議事録を本店に備え置かなければならず、社債管理者及び社債権者は、発行会社の営業時間内はいつでもその閲覧・謄写を請求することができます(同条‐Ⅱ、Ⅲ)。

●裁判所の認可
社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じません(会734‐Ⅰ)。認可があれば、社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有することとなります(同条‐Ⅱ)。

そこで社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から1週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならないことになっています(会732)。

裁判所は、①社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は募集のための説明に用いた資料に記載(録)された事項に違反するとき、②決議が不正の方法によって成立するに至ったとき、③決議が著しく不公正であるとき、④決議が社債権者の一般の利益に反するときのいずれかに該当する場合には、決議の認可をすることができません(会733)。

社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければなりません(会735)。
  

Posted by no-ko at 14:45社債

代表社債権者

●代表社債権者
社債権者集会では、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除きます)の1000分の1以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の「代表社債権者」を選任し、これに社債権者集会で決議する事項についての決定を委任することができます(会736‐Ⅰ)。この社債総額に償還済みの額と発行会社の自己社債の金額の合計額は算入しません(同項‐カッコ書、同条‐Ⅱ)。

社債権者集会を開催するのは大変なので、代わって決定してもらう趣旨です。

代表社債権者が二人以上ある場合、社債権者集会で別段の定めをしなかったときは、決定はその過半数で行います(同条‐Ⅲ)。

社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができます(会738)。

●社債権者集会の決議の執行
社債権者集会の決議の執行者は、① 社債権者集会の決議によって定めた「決議執行者」、② 社債管理者、③ 代表社債権者の順でなります(会737‐Ⅰ)。  

Posted by no-ko at 16:00社債

社債の利息の不払いと期限の利益の喪失

●社債の利息の不払いと期限の利益の喪失
社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合に、その償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、その決議を執行する者は、発行会社に対し、一定の期間内(2箇月を下ることができない)に弁済しなければならない旨及び当該期間内に弁済しなければ、社債総額につき期限の利益を喪失する旨を、書面により通知することができます。社債発行会社の承諾を得て、電磁的方法によることもできます(会739‐Ⅰ、Ⅱ)。

そして社債発行会社が期間内に弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失します(会739‐Ⅲ)。

●債権者の異議手続の特則
資本減少手続(会449)、組織変更(会779)、合併(会799)などの場合において社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければなりません。

この場合に裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができます(会740‐Ⅰ)。

社債発行会社が債権者保護手続をとるべき場合において、社債管理者があるときは、会社は社債管理者に対しても催告を行う必要があり(会740‐Ⅲ)、社債管理者は社債権者のために異議を述べることができます。ただし、社債管理委託契約に別段の定めがある場合は別となります(会740‐Ⅱ)。

  

Posted by no-ko at 22:00社債