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委員会設置会社の意義

会社法講義74日目

●委員会設置会社の意義
委員会設置会社とは、指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(委員会)を置く株式会社をいいます(会2‐⑫)。

委員会設置会社は取締役会設置会社ですが、会社の業務執行や代表は取締役会によって選任された執行役、代表執行役がこれにあたります。

会計監査人の設置は常に必要です。代表取締役や監査役、監査役会は置かれません。

会社は大会社に限らず、定款で委員会設置会社となることができます(会326‐Ⅱ)。

●委員会設置会社の取締役
委員会設置会社の取締役は、原則として業務執行を行うことができず(会415)、取締役会の構成員として執行役等の職務の執行の監督機関とされます。

しかし、取締役は執行役を兼ねることもできるので(会402‐Ⅵ)、執行役として業務の執行にあたることができます。

委員会設置会社の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会332‐Ⅲ)。

委員会設置会社では計算書類の承認が取締役会で足り定時株主総会の承認を不要とされるところから(会439)、取締役の任期を1年として株主が取締役のチェックしやすいようにしたものです。

この委員会設置会社の取締役は、その会社の支配人その他の使用人を兼ねることができません(会331‐Ⅲ)。監督権能が不十分となるからです。

●委員会設置会社の取締役会
委員会設置会社の取締役会は、委員会設置会社の業務執行の決定と執行役等の職務の執行の監督とが基本的権限です(会416‐Ⅰ)。

◆取締役会の専決事項
(1)委員会設置会社の取締役会は、次の事項を決定しなければなりらず、また、これら事項の決定を「取締役」に委任することはできません(会416‐Ⅱ、Ⅲ)。

① 経営の基本方針。
② 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項(規則112条)。
③ 執行役が二人以上あります場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項。
④ 執行役からの取締役会の招集の請求を受ける取締役。
⑤ リスク管理システム、コンプライアンスのための内部統制の整備。

(2)さらに、次の業務執行の決定についても、取締役会の決議によってその決定を「執行役」に委任することができません(会416‐Ⅳ)。

① 譲渡制限株式の譲渡の承認の決定(会136、137‐Ⅰ)、指定買取人の指定(会140‐Ⅳ)。
② 自己株式取得事項の決定(会165‐Ⅲ、156‐Ⅰ)。
③ 譲渡制限新株予約権の譲渡の承認の決定(会262、263)。
④ 株主総会の招集の決定(会298‐Ⅰ)。
⑤ 委員会委員の選定、解職(会400‐Ⅱ、401)。
⑥ 執行役の選任、解任(会402‐Ⅱ、403‐Ⅰ)。代表執行役の選定、解職(会420)。
⑦ その他会社法416条Ⅳ項各号に列挙された事項。

(3)執行役に委任できる決定事項
(2)の会社法416条Ⅳ項各号列挙事項以外の事項については、取締役会はその決議によって業務執行の決定を執行役に委任することができます(会416‐Ⅳ)。

委員会設置会社では、それ以外の会社が取締役会の専決事項とされている事項についても広く執行役に決定が委任できるのが特徴です。

たとえば、次のような業務決定が委任されます。
(イ)新株発行、社債の募集。
(ロ)重要な財産の処分、多額の借財、支配人その他重要な使用人の選任・解任、支店の設置、変更、廃止。
(ハ)株式の分割、自己株式の消却、所在不明株主の株式の売却など。

●取締役会の招集
委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、委員会がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができます(会417‐Ⅰ)。

執行役も、取締役会で決定した招集請求を受ける取締役(会416‐Ⅰ‐①ニ)に対し、取締役会の目的であります事項を示して、取締役会の招集を請求することができ、請求の日から5日以内に、請求日から2週間以内の日を取締役会の日とする招集通知が発せられないときは、自ら招集することができます(同条‐Ⅱ)。

●取締役会への報告義務
委員会がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該委員会の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません(会417‐Ⅲ)。

執行役も、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません。

この場合、執行役は代理人(他の執行役に限る)により当該報告をさせることができます(同条‐Ⅳ)。

執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければなりません(同条‐Ⅴ)。
  


Posted by no-ko at 11:31委員会設置会社

報酬委員会など

会社法講義76日目

●報酬委員会
報酬委員会は、執行役等(取締役、会計参与)の個人別の報酬等の内容を決定します。

執行役が会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても同様です(会404‐Ⅲ)。

そこで、報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならず、その方針に従って上記報酬等の内容を決定します(会409‐Ⅰ、Ⅱ)。

報酬委員会では、個人別の報酬の内容として、①額が確定しているものについては、個人別の額(会計参与の個人別の報酬等は、これによらなければなりません)、②額が確定していないもの、金銭でないものについては、個人別の具体的な算定方法を決定しなければなりません(409‐Ⅲ)。


●費用の請求
委員がその職務の執行について会社に対して、費用の前払請求などをした場合、会社は当該費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、拒むことができません(会404‐Ⅳ)。

●委員会の運営
◆委員会の招集手続
委員会は、当該委員会の各委員が招集します(会410)。

委員会を招集するには、その委員は、委員会の1週間(取締役会で短縮可)前までに、各委員に対してその通知を発しなければなりません(会411‐Ⅰ)。

もっとも当該委員会委員の全員の同意があるときは招集手続を経ることなく開催することができます(同条‐Ⅱ)。

執行役等は、委員会の要求があったときは、当該委員会に出席し、委員会が求めた事項について説明をしなければなりません(同条‐Ⅲ)。

◆委員会の決議
委員会の決議は、議決に加わることができる委員の過半数(取締役会で引き上げること可)が出席し、その過半数(取締役会で引き上げること可)をもって行います。

決議に特別の利害関係を有する委員は、決議に加わることができません(会412‐Ⅰ、Ⅱ)。

◆委員会の議事録
委員会の議事については、法務省令で定めるところにより(規則111条)、議事録を作成し、出席した委員が署名又は記名押印(電磁的記録の場合は電子署名)しなければなりません(会412‐Ⅲ、Ⅳ)。

委員会の決議に参加した委員であって、議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定されます(同条‐Ⅴ)。

議事録は、委員会の日から10年間本店に備え置かなければならず、取締役はその閲覧・謄写をすることができます(会413‐Ⅰ、Ⅱ)。

株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て議事録の閲覧・謄写請求ができます。

債権者も、委員の責任を追及するため必要があるとき、また親会社社員もその権利を行使するため必要があるときも同様です。

裁判所は、請求に係る閲覧・謄写により会社、その親会社、子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、許可をすることができません(同条‐Ⅲ~Ⅴ)。

●委員会への報告の省略
執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を委員会へ報告することを要しません(会414)。

なお、取締役会と異なり、決議の省略は認められていません。
  


Posted by no-ko at 12:49委員会設置会社

執行役

会社法講義77日目

●執行役
執行役は、委員会設置会社の業務執行機関です。

取締役会の決議によって委任を受けた会社の業務執行の決定(会416‐Ⅳ)と業務の執行を行います(会418)。

ですから取締役と同様、競業避止義務、利益相反取引の規制を受けます(会419‐Ⅱ、356、365)。

●執行役の選任・任期
委員会設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければなりません。執行役は取締役会の決議によって選任します(会402‐Ⅰ、Ⅱ)。

取締役欠格者は、執行役欠格者です(同条‐Ⅳ、331‐Ⅰ)。会社は定款で執行役を株主に限ることができませんが、非公開会社である委員会設置会社については可能です(同条‐Ⅴ)。

執行役は、取締役を兼ねることができますが(同条‐Ⅵ)、監査委員、社外取締役は執行役になることができません(会400‐Ⅳ、2‐⑮)。業務執行と業務監督の分離の徹底を図るためです。

執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までです。ただし定款でこれを短縮することができます(同条‐Ⅶ)。

委員会設置会社が委員会を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了します(同条‐Ⅷ)。

会社と執行役との関係は委任です(同条‐Ⅲ)。従って会社に対し善管注意義務、忠実義務を負います(民644、会419、355)。

●執行役の解任
執行役は、いつでも、取締役会の決議で解任することができます。正当な理由なく解任された執行役は、会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(会403‐Ⅰ、Ⅱ)。

執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合については、権利義務承継執行役、一時執行役(仮執行役)が認められます(同条‐Ⅲ、401‐Ⅱ~Ⅳ)。

●執行役の報告義務
執行役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を自らまたは代理人(他の執行役に限る)により取締役会に報告しなければりません(会414‐Ⅳ)。

また、執行役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければなりません(会419‐Ⅰ)。
  


Posted by no-ko at 15:02委員会設置会社

執行役

会社法講義77日目

●執行役
執行役は、委員会設置会社の業務執行機関です。

取締役会の決議によって委任を受けた会社の業務執行の決定(会416‐Ⅳ)と業務の執行を行います(会418)。

ですから取締役と同様、競業避止義務、利益相反取引の規制を受けます(会419‐Ⅱ、356、365)。

●執行役の選任・任期
委員会設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければなりません。執行役は取締役会の決議によって選任します(会402‐Ⅰ、Ⅱ)。

取締役欠格者は、執行役欠格者です(同条‐Ⅳ、331‐Ⅰ)。会社は定款で執行役を株主に限ることができませんが、非公開会社である委員会設置会社については可能です(同条‐Ⅴ)。

執行役は、取締役を兼ねることができますが(同条‐Ⅵ)、監査委員、社外取締役は執行役になることができません(会400‐Ⅳ、2‐⑮)。業務執行と業務監督の分離の徹底を図るためです。

執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までです。ただし定款でこれを短縮することができます(同条‐Ⅶ)。

委員会設置会社が委員会を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了します(同条‐Ⅷ)。

会社と執行役との関係は委任です(同条‐Ⅲ)。従って会社に対し善管注意義務、忠実義務を負います(民644、会419、355)。

●執行役の解任
執行役は、いつでも、取締役会の決議で解任することができます。正当な理由なく解任された執行役は、会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(会403‐Ⅰ、Ⅱ)。

執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合については、権利義務承継執行役、一時執行役(仮執行役)が認められます(同条‐Ⅲ、401‐Ⅱ~Ⅳ)。

●執行役の報告義務
執行役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を自らまたは代理人(他の執行役に限る)により取締役会に報告しなければりません(会414‐Ⅳ)。

また、執行役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければなりません(会419‐Ⅰ)。
  


Posted by no-ko at 15:02委員会設置会社

代表執行役

会社法講義78日目

●代表執行役
取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければなりません(会420‐Ⅰ)。この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとされます(同項)。

代表執行役は、会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有し、その権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(会420‐Ⅲ、349‐Ⅳ、Ⅴ)。

代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた員数が欠けた場合には、権利義務承継代表執行役、一時代表執行役(仮代表執行役)が認められ(同項、401‐Ⅱ~Ⅳ)、また仮処分命令により代表執行役職務代行者が選任されることもあります(同項、352)。

代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができます(同条‐Ⅱ)。

●表見代表執行役
委員会設置会社は、代表執行役以外の執行役に、社長、副社長その他委員会設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負います(会421)。

●株主の違法行為差止請求権
6箇月(定款で短縮可)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はするおそれがある場合において、当該行為によって会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができます(会422‐Ⅰ)。

非公開会社である委員会設置会社については、保有期間は必要がありません(同条‐Ⅱ)。
  


Posted by no-ko at 12:52委員会設置会社